Aerial Boundaries/Michael Hedges(1984)
僕がソロ・ギターにのめり込む(たぶんほとんどのソロ・ギタリストが)きっかけとなった金字塔的CD。
この作品の以前・以降でアコースティックギター界の在り方が変わったと比喩される程の楽曲とバランスが取れた傑作。
1曲目の 『Aerial Boundaries』 からすぐさまHedgesの世界観に惹きこまれ、
とても1本のギターで表現されているとは思えないオリエンタルな空気が辺りを優しく包み込む。
後年のライブまで演奏し続けていた 『Raggamuffin』 はアコギの渋みとパーカッシブな刻みに舌鼓を打つ。
内向的なアメリカの青年が築き上げた精神世界は余情を帯びてどこか詩的であり、
当時では新しい試みだったデジタル録音でその音色が響き渡る。
20数年経った今も、全く色あせぬ輝きを放つのは奇跡と言う他はないのかもしれない。
癒しと新しい音楽世界を求める人全員にオススメの一枚。/高良とくと
Taproot/Michael Hedges(1990)
彼のギターテクニックは周知の通り。
今作品はボーカル(最終トラック・「I Carry Your Heart」)もヒューチャーされた実験作品。
Hedges音源を聞き漁っていた時期がちょうど冬の候。
『Taproot』をオーディオに任せると、自然と沖縄の空寒い風と匂いを思い出す。
基本的にはギター1本で語られるのではなく、様々な楽器との融合で成り立つ音世界。
NewAgeと言う新境地に足を踏み入れるのには取って置きの作品であり、更にその世界への案内盤ともなりえる記念碑的1枚。
持てる才能と多彩な楽器への情熱を注ぎ込んだ結果、丸みを帯びた立体感が耳を捉え、メロディが優しく駆け抜ける。
人間だけが持つ精神世界があるのなら、きっとこの様な音の糸を紡ぎ、仕立て上げる作業の集大成であり、僕が求める通過点でもあるのかもしれない。
ドライブで聴くと言うよりも、日常から少し間を置いた自分だけの空間でそっと楽しめるアルバム。
あなたの日々に、僕から一つ提案出来る旬(!?)の味。
どうぞ、ご賞味あれ☆/高良とくと
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